①【牧之原山本園】べにふうき1st 2025
ゆっくりと時間をかけて抽出するほどに、バランス良いミディアムなボディ感と驚くほどの果実香がしっかりと楽しめる紅茶。淹れ立ての紅茶液から立ち上る香りが何とも芳しく、飲む前から本品が素晴らしい品質であることを直感的に理解することができます。
味わいの面ではファーストフラッシュらしい優しくマイルドな飲み口が特徴となっており、長時間抽出しても強い渋みに変わることはありません。一方で、本品が呈する南国果実のような芳香は時間が経過するほどに、あるいは湯温が冷めるほどに、香りがより前に感じられるようになります。
4グラムの茶葉に、湯量は350ml、蒸らし時間は最低でも5分以上しっかり確保すれば美味しく淹れることができます。
②【中窪製茶園】おくみどり1st 2025
日本茶の奥深い甘みが堪能できる、これぞ緑茶品種と言わしめる味わい深さが特徴の紅茶です。通常であれば香りを楽しむべき紅茶において、本品は旨みや甘みが特徴であり、味わい自体を楽しめるという切り口の面白さがあります。
香りの面では、決して強い香りではありませんが日本茶の甘い香りの中に、ほのかに柿のような円熟した香りを感じることができます。時間を経るごとに藺草のような香りが強くなり、よりおくみどりらしさを堪能できるでしょう。
4グラムの茶葉に、湯量は350ml、4分間しっかり蒸らしてお楽しみください。長時間蒸らしても渋みは強くなりませんので、本品の持つ強い旨味を十分に引き出してお楽しみください。
③【宮﨑茶房】香駿1st 2025
「香駿」はその名称にもある通り豊かな品種香を保持しており、近年は国内の品評会でも上位に位置することが多い注目度の高い品種です。本品も香駿の名に恥じない、素晴らしい果実香や花香を堪能できる紅茶となっています。
香りの面ではマスクメロンのような甘く瑞々しい果実香があり、飲み終えた後の余韻には甘やかな花香が長く残り続けます。香りの感じ方において唯一性の高い紅茶となっており、芳香と呼ぶに相応しい香り自体の芳しさがあります。味わいは優しく、渋みがなく茶の甘みだけを感じられる飲み口となっていますが、例年の香駿と比較するとやや紅茶感が上がっているようでもあります。それでもトータルで見ればライトなボディ感で、長時間抽出しても強い渋みが出てくることはほとんどありません。そのため長蒸らしによって香りを引き出す淹れ方と相性が良く、高い温度の熱湯でやや長めに蒸らすだけで、素晴らしい香りと甘やかな味わいの紅茶を堪能することができるでしょう。
4グラムの茶葉に、湯量は350mで、5分間以上じっくり蒸らしてお召し上がりください。